『おじいさんのランプ』 新美南吉 - みなしごだったおじいさんの一代記
2020.05.30 Saturday
青空文庫 『おじいさんのランプ』 新美南吉
かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一(とういち)君がランプを持って出て来ました。 それはおじいさんのランプでした。
おじいさんは昔話を始めます。子どもの頃、みなしごだったおじいさんは、できることなら何でもして、やっと村においてもらっていました。
そのおじいさんが、ふとしたきっかけでランプに出会います。おじいさんにとってランプの光は希望の光でした。そして、独り立ちするべくランプ売りとなり、それが成功し、嫁をもらい、ふたりの子どもを授かりました。
しかし時代の流れとともに、ランプが電灯に置き換わりつつありありました。
電灯が普及する際、おじいさんは追い詰められました。村に電気を引くことを決めた区長を逆恨みし、区長の家に火を放とうとしました。
しかし、子どもの頃から散々お世話になった区長に対して、ふと自分のしようとしていることの罪深さに我を取り戻し、放火を未遂に終えます。
おじいさんは、ランプ売りをやめることにしました。そして新しく本屋を始めます。おじいさんはランプ売りとしての引き際の心得を自画自賛してこの物語は終えます。
その様子である、物語最後を引用します。
思うのはおじいさんが罪を犯さなくてよかったということです。若い頃は考えが足らず、つい自棄になってしまうことがありがちです。
大人にとっては、心当たりがあるお話に、子どもにとっては、これから生きていくうえで教訓になりえるお話になっています。
また、村の居候だったおじいさんが、身を立てるべく歩んだ、波乱にとんだ一代記になっています。
かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一(とういち)君がランプを持って出て来ました。 それはおじいさんのランプでした。
おじいさんは昔話を始めます。子どもの頃、みなしごだったおじいさんは、できることなら何でもして、やっと村においてもらっていました。
そのおじいさんが、ふとしたきっかけでランプに出会います。おじいさんにとってランプの光は希望の光でした。そして、独り立ちするべくランプ売りとなり、それが成功し、嫁をもらい、ふたりの子どもを授かりました。
しかし時代の流れとともに、ランプが電灯に置き換わりつつありありました。
電灯が普及する際、おじいさんは追い詰められました。村に電気を引くことを決めた区長を逆恨みし、区長の家に火を放とうとしました。
しかし、子どもの頃から散々お世話になった区長に対して、ふと自分のしようとしていることの罪深さに我を取り戻し、放火を未遂に終えます。
おじいさんは、ランプ売りをやめることにしました。そして新しく本屋を始めます。おじいさんはランプ売りとしての引き際の心得を自画自賛してこの物語は終えます。
その様子である、物語最後を引用します。
自分の古いしょうばいがお役に立たなくなったら、すっぱりそいつをすてるのだ。いつまでもきたなく古いしょうばいにかじりついていたり、自分のしょうばいがはやっていた昔の方がよかったといったり、世の中のすすんだことをうらんだり、そんな意気地のねえことは決してしないということだ。
東一君は黙って、ながい間おじいさんの、小さいけれど意気のあらわれた顔をながめていた。やがて、いった。
「おじいさんはえらかったんだねえ」
そしてなつかしむように、かたわらの古いランプを見た。
思うのはおじいさんが罪を犯さなくてよかったということです。若い頃は考えが足らず、つい自棄になってしまうことがありがちです。
大人にとっては、心当たりがあるお話に、子どもにとっては、これから生きていくうえで教訓になりえるお話になっています。
また、村の居候だったおじいさんが、身を立てるべく歩んだ、波乱にとんだ一代記になっています。
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