子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 5 より 『炭焼き小屋のあねさま』 つい気を許すものには注意せよ
短いお話です。



むかし、炭を作るため、若い男十人に、年寄りが二人がついて一緒に山に入りました。男たちは六人ずつに分かれ、それぞれの炭焼き小屋で、何日も炭焼きの仕事を続けました。



ある晩、仕事が済んだ後、片方の小屋の男たちが酒を飲んでいると、外から、「もし、わたしにもお酌をさせてください」という女の声がしました。

戸を開けてみると、あねさまが一人立っていました。若い男たちは喜んで、「さあ、入れ入れ。入って酌をしてくれ、あねさま」といいました。

それを見た年寄りの男は、「いまどき若い女がひとりで来るのは腑に落ちない。こいつはあやしいやつに違いねえ」と思ったので、若い男たちに、「おまえたち、やめろやめろ」といいました。けれども、誰も年寄りのいうことに耳をかしません。女を中に入れ、酒の酌をさせました。



やがて夜も更ける頃、若い男たちはみんな、酒に酔いつぶれて、眠ってしまいました。年寄りの男も横になっていたのですが、女一人起きている様子なので、眠ったふりをしていました。

そのうち女は、戸口に一番近いところに寝ている若い男の上に覆いかぶさると、男の口に自分の口を押し付けました。そのとたん男は苦しそうにうめきましたが、すぐにそのうめき声もやみました。

女は二番目の男にも同じことをしました。この男も苦しそうにうめきましたが、すぐに静かになってしまいました。

さてはあいつ、若い衆たちの舌をかみ切って殺したな。年寄りの男はまさかりの柄を握りしめて、「おれのところに来たらぶち殺してやる」と待ち構えました。

女は、次々に五人の男たちの舌をかみ切って、年寄りの男に近づいてきます。いよいよ自分にのしかかろうとしたとき、年寄りの男は、まさかりで力任せに女の脳天をたたきつけました。

「ぎゃあっ」女はものすごい叫び声をあげて、戸口から飛び出していきました。



年寄りの男は、夜が明けるのを待って、急いでもう一つの炭焼き小屋の男たちをよびに行き、一緒にあたりを探してみました。すると小屋の近くの草むらに、大きな狸が、頭をざっくり割られて死んでいましたとさ、と物語は結ばれます。



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たぬきは世界的に生息域が狭いので日本の昔話に特有の動物です。そして人を良くだまします。

つい、気を許すものには注意せよ、といったところでしょうか。



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18:20 : 日本の昔話 5 冬 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
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