子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 4 より 『おねがいもうしあげます』 知恵者、貧しい民を救う
短いお話です。

むかし、ある村で、三年も米の不作が続きました。村の人たちは、食べる米がなく飢えに苦しみました。それでも殿様に年貢を納めねばなりません。たとえ自分達が食べるものがなくとも年貢を納めねば厳しく罰せられます。

しかし、とうとうたまりかねて、村の人たちは、村一番の知恵者であるばら八に、殿様へのお願いの手紙を書かせることにしました。

ばら八は、「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」という手紙を書いて殿様に送りました。ばら八は文字をこれしか知らなかったのです。



一方、手紙を受け取った殿様は、手紙を見ても、何のことかさっぱりわかりませんでした。殿様はばら八を呼び出しました。

殿様は「お前の手紙は何のことやらさっぱりわからん。お前が呼んでみよ」とばら八に読み上げさせました。



ばら八は手紙を読み上げました。
「一、ひとつ願いあげまする。
 二、苦々しくも、
 三、三年続きの米不作、
 四、忍に忍べず、
 五、ご年貢も納めかね、
 六、ろくろく蓄えないものは、
 七、質入れしても間に合わず、
 八、八方ふさがり行き止まり、
 九、きゅうきゅう苦しい村人に、
 十、当分年貢のお許しを、お願い申し上げます」



これを聞いて殿様は十から一まで返し言葉で答えました。
「十、重々承知したぞ。
 九、暮らしてゆけぬ下々の、
 八、野暮な奴らと思えども、
 七、難儀を救うはお上のお慈悲、
 六、ろくろく食えぬ者どもよ、
 五、ご年貢だせぬ者どもは、
 四、思案できるはずもない。
 三、三年続きの不作ゆえ、
 二、二度はならぬが、
 一、一度は許す」



こうしてばら八は、この年の年貢を許してもらい、村の人たちを助けた、と物語は結ばれます。



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知恵者が、日本の昔話の主人公である民を救います。いつの時代も、民の生活は厳しいですね。そんなとき、むかしなら知恵者が活躍して、殿様のご慈悲を引き出していたのかもしれません。

このように、現代の知恵者も、人知れず、どこかで活躍しているのでしょう。



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