子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 4 より 『ほらふきくらべ』 ほらという人間関係の潤滑油
むかし、上方に、なんともはや、大きなほらを吹く男がいました。男は、ほらを吹くことに関して、誰にも負けない自信があったので、どこかへ行って誰かとホラ吹き比べをしてみたいと思っていました。

そこで、ある時、男は、ほら吹き比べの相手を探しに、はるばる陸奥の町までやってきました。そしてこの町に、大ほら吹きがいるとの噂を聞いて早速その家を訪ねてみました。



家には小さな女の子がいたので「親父さんはいるかね」と尋ねてみると「父ちゃんはいま岩手山が転びそうだといって、苧殻(おがら、麻の茎の皮をはいだもの)三本持って、山につっかい棒をしに出かけたよ」と答えました。

男は、こいつ子どものくせに、ほらを吹くとは生意気なと思いましたが、「それじゃあ、おふくろさんは、どこにいった」と尋ねました。

すると女の子は「母ちゃんかい。母ちゃんはね、いま、海の水があふれそうなので、鍋の蓋を持って海にいったよ」と答えました。

「このくされガキめ、生意気な。ようし、それならこっちだって、大きなほらを吹いてやるわい」と思いました。

そこで、男はとぼけて「このあいだの大風のときに奈良の大仏様の釣り鐘が飛ばされたんだが、どこへ飛んでいったか知らんかね」と聞きました。

すると女の子は、「ああ、あれかい、あれなら三日ばかり前に、うちの前の梨の木の蜘蛛の巣に引っかかって、しばらくカランカランと鳴っていたけど、またどこかへ飛んでっちゃったよ」と答えました。

上方のほら吹きはこれを聞いて「こりゃあたいへんだ。こんな小さな女の子でさえこんな大きなほらを吹く、こいつのおやじやおふくろにあったら、どんな大ほらを吹くかわかったもんじゃない」といって、そのまま上方へ帰ってしまったということです、と物語は結ばれます。



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洋の東西をとわずある、ほらを題材とした昔話です。人々はむかしから、ほらを娯楽として楽しんだのでしょう。人を傷つけるような嘘はいけませんが、楽しませるほらは人間関係の潤滑油となります。お笑いですね。

昔から、上方は、お笑いが盛んな土地柄だったのでしょうか。上方落語などの歴史をたどると、江戸時代にまでさかのぼれます。そこの猛者が東北の猛者に敗れてしまいます。



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18:30 : 日本の昔話 4 秋 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
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