子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
<< September 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>



<< 『おやゆび姫』 H.C.アンデルセン アンデルセンの恋愛譚 | ホーム | 日本の昔話 4 より 『ぐつのお使い』 子どもの使いをモチーフとした笑い話 >>
日本の昔話 4 より 『旅学問』 続、日本版ハンスの物語、落語調
むかし、あるところに、ひとりの息子がいました。両親は、「なんとかしてこの子に学問をさせたいものだ」と思っていました。

息子も、「なんとか学問をして、偉い人になりたい。これから京へ登って勉強してこよう」と思い両親に暇乞いをして京都へ向かいました。



しばらく行くと向こうから笠をかぶったお坊さんがやってきて、一軒家の前に立ち止まると、小さな鈴をちょんと叩いて、「しょけいはい、しょけいはい」と唱えました。

するとそこの家の人がお盆に何か乗せて差し出しました。お坊さんは「ありがとう」といってそれを受け取りました。

息子はこれを見て「ははあ、人からものをもらうことは『しょけいはい』というんだな」とひとりがってんして、これでひとつ勉強になったと悦に入っています。



こんな調子で息子は、愚かにも、石のことを『えっさっさ』といい、柿のことを『しんじょう』といい、色が赤いことを『朱椀朱膳』というのだなと学んだつもりになって、「だいぶ偉くなったものだ」と思い、家に帰りました。



息子が帰ってきたことを両親は喜びます。そして両親は、裏の柿の実が熟していたので、それを食べなさいとすすめるので、息子は柿の木に登りました。

ところが、柿の木の枝がおれてしまい、息子は地面に落ちてしまいます。頭を石にぶつけて血がダラダラと流しました。

両親はびっくりして、すぐに医者を呼ぼうとしますが、息子は医者なら自分で呼ぶから、硯と筆を用意してくれといいました。どうやら息子は学問の成果を示すため、医者に手紙を書こうというのです。

息子は、「しんじょうの木から落ち、えっさっさに頭をぶつけ、朱椀朱膳かっかと流れておりますので、薬を一服しょけいはい」と手紙を書きました。

そして息子は、この手紙を、医者のところへ持っていってもらいました。医者は、何のことやらさっぱりわからず目を白くさせた、と物語は結ばれます。



illust3786-c



グリム童話第一巻のハンスの物語と同じ系統の笑い話ですね。主人公は人が話したことを文脈でとらえることができません。また主人公は文脈を無視して話そうともします。場違いもはなはだしいのです。

日本には落語という文化があリ、物語もそのような語り方がされているので、これを笑い話とすることができますが、西洋のハンスの物語を読んだときは、ある意味、笑いというより狂気を強く感じました。

同じように西洋にも落語のような文化が存在し、西洋の人はそれをベースに、ハンスの物語を読んでいることが予想されます。



JUGEMテーマ:昔話




18:45 : 日本の昔話 4 秋 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
■ホーム ▲ページトップ