子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 4 より 『ちゃっくりかきふ』 日本版ハンスの物語、落語調
むかし、商売をやっている家に、ひとりの娘がありました。娘が年頃になると、ちょうどいい具合に世話してくれるひとがあって、婿殿をもらいました。



ある日、お姑さんが、お茶と、栗と、柿と、麸を並べて「婿殿、これを町へ持っていって、売ってきてくれ」といいました。婿殿はさっそくそれらを籠に入れ、天秤棒でかつぎ、出かけました。

婿殿は「ちゃっくりかきふ(茶っ栗柿麩)、ちゃっくりかきふ」と大声でふれ歩きました。ところが町の人は誰ひとりとして買ってくれません。婿殿は歩き疲れて帰ってきました。

お姑さんは「婿殿、おまえ何も売れなかったのかい。いったい、なんといってふれ歩いたんだね」と尋ねました。

婿殿は「『ちゃっくりかきふ、ちゃっくりかきふ』といって歩きました」と答えました。

「そんな売り声じゃ、何を売っているのかわからないじゃないか。茶は茶で別々、栗は栗で別々、柿は柿で別々、麸は麸で別々にふれ歩かなければだめだ」お姑さんにそういわれるとそうだなと思った婿殿は、また出かけました。

そしていっそう大きな声で「ちゃーぁはちゃで、べっつべつ、くりーぃはくりで、べっつべつ、かきーぃはかきで、べっつべつ、ふーぅはふで、べっつべつ」とふれ歩きました。

それでも、やはり買うひとはありませんでした。婿殿は「いくら別々にいったって、誰も買うものはいない」といって馬鹿らしくなって帰っていきました。

お姑さんは「婿殿よ、おまえ、また、何も売れなかったのかい。今度はいったいなんといってふれ歩いたのかい」と尋ねました。

婿殿は「おれは、ちゃんと、『ちゃーぁはちゃで、べっつべつ、くりーぃはくりで、べっつべつ、かきーぃはかきで、べっつべつ、ふーぅはふで、べっつべつ』といってふれ歩いたんだが誰も買ってはくれませんでした」と答えました。

それを聞いてお姑さんは呆れて、「こんな馬鹿婿をもらったんでは、とても商売が成り立たない」といって婿殿を追い出してしまったということです、と物語は結ばれます。



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婿殿のキャラクターは、グリム童話第一巻のハンスのキャラクターそのものです。以前にも類似の日本の昔話として『だんだん教訓』をあげました。

そして『だんだん教訓』のほうが、類似としては上でしょう。いわれたことを、意味を解さず、言葉のままに繰り返す愚か者ですね。

西洋のグリム童話と『だんだん教訓』では、主人公に狂気さえ感じました。しかし今回のお話では、物語の結びが、落語調に表現されるので、明らかに笑い話とわかリます。



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