子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 4 より 『頭の大きな男の話』 落語調の昔話
むかし、あるところに、なんともはや、頭の大きな男がいました。あんまり大きな頭なので、どこの床屋へ言っても頭を剃ってくれる者はなし、男は困って、考え込んでしまいました。

そこへ友達がやってきました。そして、「それならおれが剃ってやろう」とカミソリの刃を三日三晩研ぎ続けて、それから剃り始めました。

ところがあともう少しというところで手元が狂って頭に切り傷をつけてしまいました。友達は慌てて血止めのために何かないかとあたりを見回すと、下に柿の種が落ちているのを見つけて傷口に突っ込みました。

友達は「これで剃り上がったぞ」というので男は「ありがとう。おかげでさっぱりした」と答えました。



ところがその柿の種から芽が出て大きくなるわ大きくなるわ、大きな頭には大きな柿の木が生えました。

秋になるとなんとも美味しい柿がたくさんなるので町の人はその柿を売ってくれといって押しかけるので、柿の実は。大変な売れ行きでした。

男はそんなに美味しい柿の実ならと、殿様のところへ少し持っていきました。殿様はその柿の実を食べると大変満足し、男にたくさんのほうびをつかわしました。

さああたりの柿売りたちは怒りました。自分たちの柿の実が売れないからです。柿売りたちは、ひとを馬鹿にするにもほどがあると、斧やまさかりを持って押しかけ男の頭の柿の木を切り倒してしまいました。



ところが次の年の秋、柿ノ木の切り株からなんとも美味しいきのこがいっぱい生えてきました。町の人はまたしても大勢押しかけ、きのこは売れに売れました。

男はそんなに美味しいきのこならと、またしても殿様に少し持っていきました。殿様は大変満足し、男にたくさんのほうびをつかわしました。

さあ、あたりのきのこ売りは怒りました。自分たちのきのこが売れなくなってしまったからです。

きのこ売りたちは、ひとを馬鹿にするにもほどがあると、鉈や鍬を持って押しかけ男の頭の切り株を根こそぎ掘り出してしまいました。男の頭にはポツッと穴があきました。



男は仕方なく頭にあいた穴に水を入れて池にしました。そして池に鯉をたくさん放しました。

するとまたその鯉はなんともいえず立派に育ちました。食べてみるとそれは美味しい鯉でした。町の人はまたしても大勢押しかけ、鯉は売れに売れました。

男はそんなに美味しい鯉ならと、またしても殿様に少し持っていきました。殿様は大変満足し、男にたくさんのほうびをつかわしました。

さあ、あたりの鯉売りは怒りました。自分たちの鯉が売れなくなってしまったからです。

鯉売りたちは、ひとを馬鹿にするにもほどがあると、かます(袋の一種)やもっこに土を入れて運び、男の頭の池を埋めてしまいました。男の頭には広い土地ができました。



男は、こんな広い土地を放っておくこともできず、大根の種をまきました。すると種はすぐに芽を出し大きな大根がなりました。掘ってみると長さが十里もあります。

男はその大根を「ゴリ、ゴリ(五里、五里)」とかじってみんな食べてしまいました。友達が「それならその大根の葉っぱはどれくらいあったんだ」と聞くと男は「は、な、し(葉無し)」と答えました、と物語は結ばれます。



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落語のような話ですね。話者が最後に駄洒落で落ちをつけて、お話は閉じられます。主人公の男の頭は物理的にとてつもなく大きいのですが、これは話者の作り話を構想する空想の広大な領域の例えなのではないでしょうか。



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18:19 : 日本の昔話 4 秋 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
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