子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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『古事記』 [上の巻] 16 国譲り
天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、葦原中国(あしはらのなかつくに)を我が子である天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト、[上の巻] 06 天照大御神、須佐之男之命による誓約(うけい)生みを参照)に治めさせるべく高天原(たかまのはら)から天降りさせました。ところが葦原中国の荒ぶる神々に手を焼いて、帰ってきてしまいます。

アマテラスオオミカミと高御産巣日神(タカミムスヒノカミ、[上の巻] 01 天地のはじめを参照)は、この葦原中国の荒ぶる神々を説得するために、知恵の神である思金神(オモイカネノカミ)を中心とした八百万の神に思案させます(このような神の合議による意思決定は、神の意思決定のルールとも言えます。いちいち書きませんが神の意志決定はすべてこのように行われていると思ってください。(初出は[上の巻] 07 天の岩戸を参照))。

そして、同じくアマテラスオオミカミの息子の天菩比神(アメノホヒノカミ、[上の巻] 06 天照大御神、須佐之男之命による誓約(うけい)生みを参照)を葦原中国に遣わします。しかし彼は大国主神(オオクニヌシノカミ)に媚びへつらい三年経っても戻ってきません。

そこで天若日子(アメノワカヒコ)に特別な弓と矢を持たせ遣わせることになりました。ところがこの神はオオクニヌシノカミの娘の下照比売(シタデルヒメ、初出、[上の巻] 15 葦原中国の完成−我々の八百万的なものの中での共生の起源を思う)と結婚し、自分が葦原中国を治めようと企む始末です。そして八年の時が過ぎました。



なんの音沙汰もない使者に、いよいよ困ったアマテラスオオミカミとタカミムスヒノカミは、今度は鳴女(なきめ、雉)を遣わせます。

鳴女はアメノワカヒコに事の真相を問いました。しかし自分の企てを知らせるわけにも行かず、高天原から天下った時に持たされた特別な弓矢で、鳴女を射殺してしまいます。鳴女の胸を貫通した矢は空高く上り、高天原のアマテラスオオミカミとタカミムスヒノカミのもとに飛んでゆきました。

タカミムスヒノカミは驚きます。血のついた矢はアメノワカヒコに持たせた特別な矢でした。そこで、この矢が善行に使われたのならアメノワカヒコに当たらず、邪心のために使われたのならアメノワカヒコに当たって死ねと仰せになって、タカミムスヒノカミは再び葦原中国に矢を投げ返します。結果その矢はアメノワカヒコに当たって彼は死ぬこととなりました。

アメノワカヒコの妻のシタデルヒメの嘆き悲しむ声が高天原まで届きます。高天原からは彼の父や昔の嫁や子供が降ってゆきます。そして死んだアメノワカヒコの魂を慰めるため、八日八晩、歌舞いが続きます。

そこへお悔やみを言いに、阿遅志貴高日子根神(アジシキタカヒコネノカミ)がやってくるのですが、彼が死人と瓜二つなことから、生き返ったとの勘違いが起きて、アジシキタカヒコネノカミはカンカンに怒ってしまいます。実は彼、シタデルヒメの兄なのですが、兄の名が広く知られないのが残念で、歌を歌って知らしめています。



それはそうと、高天原の葦原中国統治へ向けての神の派遣は続きます。今度は建御雷神(タケミカヅチノカミ、イザナキノカミがイザナミノカミが死んだ原因として切り捨てた火之迦具土神(ヒノカグツチカミ)の血から生まれた神)と、天鳥船神(アマノトリフネノカミ)の二神を遣わします。どちらの神も剣の神霊です。今度は武力を背景に派遣が行われたものと見ていいでしょう。

それをオオクニヌシノカミが迎えるのですが、高天原の二神が統治の交代の話をすると、すでに彼は国の実権を子に譲っていたので、子に返答をさせようとします。国の実権を握っているのは、子の八重言代主神(ヤエコトシロヌシノカミ)と建御名方神(タケミナカタノカミ)のようです。

ヤエコトシロヌシノカミとは、話し合いで国譲りを了承にこぎつけますが、タケミナカタノカミとは力勝負となります。しかし今度の派遣はこうしたことを見越したものであったため、高天原のタケミカヅチノオノカミが勝負に勝ちます。

そしてオオクニヌシノカミは、壮大な宮殿(出雲大社)を建て、自分が祭られることを条件に、葦原中国の国譲りは実現しました。





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