子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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日本の昔話 4 より 『いたちの粟畑』 生き残ることを第一義と考えるねずみの物語
むかしあるところに、いたちがおりました。あるときいたちは、村のお稲荷さんの裏を耕して、新しい畑を開き、そこに粟をまきました。

いたちが丹精込めて手入れしたかいがあって、粟にはふさふさと実がなりました。いたちは喜んで明日刈り入れようと家に帰りました。



ところが次の日、いたちが畑に行ってみると、粟は誰かにすっかり刈り取られて、なにもありません。いたちは怒ります。

いたちは、誰が盗んだのかと、その辺を歩いていると、小さなねずみが赤ん坊をおんぶして子守をしています。

そして、「かかあ、かかあ、ゆうべの粟餅もひとつくれ」続いて「だまっていろ」という声が聞こえてきます。

いたちはあやしいと思って、ねずみの穴を覗いてみると、そこには粟餅があずきのあんこをつけていっぱい並んでいました。そう粟を盗んだのはねずみでした。

イタチはねずみの母親を取っ捕まえて、のこぎりでその歯を、バンコンバンコンと切り始めました。

ねずみの母親は、いたちに許しを請います。歯を全部切られてしまうと、庄屋さんのもみ倉の下へ潜って、床に穴を開けてもみを食うことができなくなるから、どうか上の歯二枚と下の歯二枚は残してくれというのです。

いたちもなんだか可哀想な気がして、ねずみの母親の言う通り、上の歯二枚と下の歯二枚を残してやりました。



ところが残してもらった歯の達者なこと、挽臼の心棒までかじるのです。人間を困らせました。でもそんなわけで、ねずみの歯は上の歯二枚、下の歯二枚しかないのです、と物語は結ばれます。



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短いお話です。

聞き耳ずきん』の子ねずみは、母親の命を第一義として行動していました。この物語のねずみも、やはり命を第一義として行動します。その他のことは全て二の次なのです。迷いがありません。共に、そんな小さきねずみの、たくましさが語られます。

日本の昔話のねずみが暗示するものは、このたくましさなのでしょう。ねずみの歯が、上の歯二枚、下の歯二枚しかないことの由来譚にもなっています。





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19:01 : 日本の昔話 4 秋 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
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