子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
<< September 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>



<< 宮沢賢治童話全集 11 銀河鉄道の夜 リンク | ホーム | 日本の昔話 4 より 『いたちの粟畑』 生き残ることを第一義と考えるねずみの物語 >>
日本の昔話 4 より 『猿かに合戦』 日本人の心性をよく表す昔話
むかし、猿とかにが、いっしょに山へ遊びに行きました。山を登って行く途中、猿は柿の種をひとつ、かにはにぎりめしをひとつ拾いました。

猿は、かにのにぎりめしを見てうらやましく思い、それぞれの拾ったものを交換しようと提案します。猿は、柿の種を植えれば、やがて毎年うまい柿の実が食べられると、その素晴らしさをかにに伝えます。

かには、なるほどと思い、交換に応じました。猿は、あっという間に、にぎりめしを食べてしまいました。



かには早速柿の種を植え、はさみを振りながら、早く目を出さないと切ってしまうぞ、と言って水をやりました。やがて柿の芽が出るとかには、早く大きくならないとはさみで切ってしまうぞといい、また水をやりました。

こんな調子でかには、柿の種が立派な木となると、今度は、実をつけないとちょん切るぞと言って楽しみにしていました。

するとまもなく、柿の木には青い実がたくさんなりました。そこでかにはその青い実に実を赤くしないとちょん切るぞと言って柿の木の回りをぐるりと回ると実は熟しました。



ところがかには、木に登ることができず、柿の実を取ることができません。そこへあの猿がやってきて、俺が取ってやろうと木に登り、柿の実をもいでは夢中で食べました。

そして猿は、かにの甲羅に向けて、青くて固い実を投げつけました。おかげでかにの甲羅は割れてしまいます。かには泣きながら穴に逃げ込みました。そして敵討ちを誓い傷が治るのをまちました。



かには傷が治ると、子がにたちを集めてきびだんごを作らせ、それを持って猿を懲らしめるための仲間を探しに行きました。

臼に、縫い針、蜂に、栗、それぞれに事情を話し、仲間になると、きびだんごをやって、皆で猿の家に向かいました。

猿は留守でした。かにとその仲間たちは、待ち伏て猿を懲らしめる準備をします。やがて猿は山から帰ってきました。



猿は部屋に上がると、まず縫い針を踏んで足を突き刺してしまいます。痛さに囲炉裏のそばに尻もちをつきました。

それでも痛みを我慢して火吹き竹に口を当てて囲炉裏に火を起こそうとすると、竹の中にいた蜂が猿の口を刺しました。

猿は痛くてたまりません。火吹き竹を放り投げて、仕方なく自分の痛む口元を抑えて火をおこしました。

すると灰の中にいた栗がぱちんとはねて、猿のおでこに当たりました。

猿は驚いて家の外に逃げ出しますが、すかさず軒から大きな臼が落ちてきて猿を押しつぶしてしまいました。

そこへかにがやってきてはさみでチョッキンと猿の首を切り落としてしまいました、と物語は結ばれます。



illust3786-c



動物寓話になっています。猿の役割は、他人の成果をかすめ取って自分のものとなす、いつの時代にもいる一部の人々を指しているのでしょう。

かには、柿を育てて収穫しようとします。かには、多くの農民一般を表象しています。日本の昔話は農耕民族であった日本人の心性を、よく表現しています。

かにが仲間を集うときにきびだんごを使うのは、『桃太郎』と共通ですね。





JUGEMテーマ:昔話


18:34 : 日本の昔話 4 秋 : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
■ホーム ▲ページトップ