子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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グリム童話(KHM169) 『森の家』 動物に親切な末子の物語の類型
末子成功譚の物語に分類されるお話です。

貧しいきこりの夫婦には、三人の娘がいました。ある日、きこりが、手間のかかる仕事を手掛けることになり、娘に森へ弁当を届けさせるように、おかみさんに言いつけておきました。しかし、娘は、道に迷い、弁当を届けることはおろか、家に帰ることさえもできません。上の娘から順に、日をまたぎ、用は授けられます。

娘は、それぞれ、夜、森の中に明かりのついた家を見つけ、一晩の食事と共に宿を頼みます。家の中には、白い髭の老人と、おんどり、めんどり、まだら模様の牛がいました。これらの登場者は、実は悪い魔女によって、変身の呪いをかけられた、王子とその召使いなのですが、彼らの呪いを解くには、心根の優しい娘が、家を訪れなければなりませんでした。

上ふたりの娘は老人には親切に振る舞ったものの、動物たちをそっけなく扱ったものですから、王子たちの呪いは解けませんでした。彼女らは地下室に閉じ込められてしまいます。

しかし三番目の娘が、甲斐甲斐しく、老人ばかりか動物たちにも親切に振る舞うと、呪いは解けます。そして三番目の娘は、王子と結婚することになりましたというお話です。王子は、姉ふたりが、動物に優しくなるまで炭焼きのもとで働かせようと思う、と物語は結ばれます。



末子と動物の関係をテーマとした物語が、いくつかありました。(KHM62)『みつばちの女王』と、(KHM63)『三枚の鳥の羽』がそれです。これらはいずれも末子が動物に対して親切に振る舞ったため福音を得るという物語です。

しかし、結末での末子以外の兄弟の扱いは、それぞれ違います。この物語のように罰のような裁きがくだされるというものは、ある意味、厳しく感じられるかもしれません。むしろ現代では、上の姉たちがすることのほうが当たり前のような風潮です。



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18:25 : グリム童話(KHM 161 - 200) : comments(0) : trackbacks(0) : かがりん :
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