子どもの本を読む試み いきがぽーんとさけた
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グリム童話(KHM129) 『腕利き四人兄弟』 グリム童話で用いられる主要職業を持った四人兄弟
四人兄弟の父親は、息子たちに独立をうながします。兄弟はそれぞれの道を精進するため散っていきますが、約束の期日を決め再び集うことを約束します。

兄弟は、それぞれに師匠を見つけ、上の兄弟から順に、泥棒、星のぞき、狩人、仕立て屋になりました。グリム童話で主に用いられる登場人物の職業が連なっています(星除きは初めての登場ですね)。そして、それぞれは、その道の達人になりました。

約束の日が来て四人は集い、それぞれ身につけた技を父親に見せました。父親は大変満足し、そのうちに、兄弟の技が、世のために役立つ時が来るであろうと喜びます。



ある時、国の王女が竜にさらわれ、大騒ぎになります。四人の兄弟は、今こそ自分たちの力を見せる機会だとして、王女を救い出す決心をしました。そして四人は、それぞれ、その恐るべき力を発揮して、見事に王女を救い出します。

王さまは大変喜び、四人の中のひとりに、王女を妻として与えようとします。誰が娶るかは兄弟に任せるとのことです。そのことで、兄弟に争いが生まれました。

すると王さまは仲裁にあたります。誰もが同じ権利を持っている。ゆえに誰とは決められない。ならば誰にも与えないでおこう。その代わりに、国の半分を与えることにしようと。

兄弟は仲違いをやめて、兄弟そろって父親と共に、幸せに暮らしましたと物語は結ばれます。



四人兄弟の、それぞれの職業を持った登場人物には、おおむね、ある一定のキャラクターが割り当てられてきました。しかし、この物語では、それぞれに割り当てられてきたキャラクターは発揮されません。形式上、それらの職業が並べられているだけという印象です。

個性豊かな、それぞれのキャラクターが発揮されていたら、お話はまとまらないのでしょうが、可能なら、そんな物語も、読んでみたい気がします。


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